着床障害とは

受精した卵が子宮にくっつかずに出てしまうことを着床障害といいます
着床障害の説明

 卵子が精子と出会って受精した後、妊娠に至るには、受精した卵が子宮の内膜にくっつかなくてはいけません(くっつかなかった受精卵はそのまま子宮を素通りして体の外に出てしまいます)。受精卵が子宮の内膜にくっつくことを着床といいます。この着床がうまくいかないことを着床障害といいます。

着床障害の原因

着床するためには受精卵、子宮内の両方の条件が整っていることが必要です

 着床するためには

  1. 受精卵に着床する力がある
  2. 子宮の内膜が着床するための準備ができている
  3. 着床を邪魔するような成分が存在しない
  4. 受精卵が子宮の内膜に密着できるように、子宮の中に余分なすき間がない

などの条件が必要になります。これらのどこかが障害されていると、着床がうまくいきません。

 具体的な原因としては

  1. 受精卵に着床する力がない:受精卵の染色体異常、受精卵の遺伝子の異常など
  2. 子宮の内膜が着床するための準備ができていない・子宮内膜が薄い:黄体機能不全、子宮奇形、子宮内の癒着、子宮内膜症など
  3. 子宮の中に着床を邪魔するような成分が存在する:卵管留水腫、卵管留膿腫など
  4. 受精卵が子宮の内膜に密着できないような余分なすき間が子宮の中にできている:子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮奇形、子宮の手術による子宮変形など

などがあります。

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着床障害の診断

着床障害を直接診断する方法はありません

 一般的な検査で着床障害を直接診断する方法はありません。したがって、着床障害を生じるような状態があるかどうかを確認していきます。

  1. 黄体機能不全がないかどうか:黄体機能不全のページを参照
  2. 子宮内にポリープや子宮筋腫がないかどうか、子宮奇形がないかどうか、卵管が腫れていないかどうか:超音波検査、子宮鏡検査、子宮卵管造影検査で確認します。
  3. 子宮内膜症がないかどうか:子宮内膜症のページを参照

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着床障害の治療

1)黄体機能不全が原因の時の治療

 黄体機能不全のページを参照してください。

2)子宮内にポリープや子宮筋腫がある時

 手術で取り除きます。子宮鏡というカメラを用いて内膜のポリープや子宮筋腫を削ることが多いです。内膜ポリープであれば、もっと簡単に子宮の中の物をつまんでこれる器具を使って取り除くこともあります。子宮筋腫であれば、腹腔鏡や通常のお腹を開ける手術が必要になることがあります。

3)子宮奇形がある時

 子宮奇形が妊娠の障害になっている可能性が高い時のみ手術を行います。よくみられる子宮奇形の多くは手術をしなくても妊娠可能です。ただし、お腹の中で赤ちゃんの体重が増えにくくなることは時々あります。

4)卵管留水腫、卵管留膿腫がある時

 通常は卵管を切除します。しかし卵管を切除することによって卵巣への血液の流れが悪くなり卵巣の機能が低下する可能性もあり、開窓術といって卵管に穴を開ける手術のみを行うこともあります。これにより着床を邪魔するような成分を含んだ液体が子宮の中にではなくお腹の中に流れ出ることを期待します。(卵管を切除するのか、穴を開けるだけにするのかは一長一短ですので、どちらが良いとは一概には言えませんが、妊娠しない原因が着床障害が中心で多少の卵巣機能の低下が影響しないようであれば、一般的には卵管切除術が選択されると思われます)

5)子宮内膜症が原因の時

 子宮内膜症のページを参照してください。

6)子宮内膜が薄い時

 子宮内膜を薄くさせるような状態があればその改善を図ります(男性ホルモンが高い、卵巣の機能が低下している、排卵誘発剤のクロミフェン(クロミッド)を服用しているなど)。子宮内膜の血液の流れを良くすることで子宮内膜が厚くなることもあるため、血流を良くするような薬を用いることもあります。またホルモン注射によって子宮内膜を厚くできることもあります。

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