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婦人科的な悩み妊娠中の不安内科的な病気
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生理痛(月経痛、月経困難症)
生理痛、月経困難症はなぜ生じるのか、治療法もふまえて解説しています。
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 なぜ生理痛が生じるのか(機序)

 若い女性の60ー70%に生理痛が生じるといわれ、そのうちの4人に1人は日常生活に支障が出るほどつらくなります。それなのに、多くの女性は医療機関に行かず、じっと我慢しています。生理痛を軽くすることができれば、それだけで生理中も日常生活を快適にすることができ、自分も周りの人も気持ちよく過すことができるでしょう。

生理痛には子宮が収縮するときの痛みと
子宮から出る炎症を起こす物質による痛みがあります

 生理痛が生じる機序にはだいたい次のようなものが考えられます。

@子宮は収縮して子宮内膜や出血を外に出そうとしますが、この収縮が強い。(後述のPGによって子宮の収縮は強くなります)

A子宮の内膜が厚いために全てを外に排出するのが大変。

B子宮頚管が細いために、この細い通路を通って子宮の内容を排出するのが大変。

生理痛が起こる機序

C生理中、痛みを感じさせる物質(プロスタグランディン:PG)が子宮から出る。(このPGが血液にのって全身にひろがるため、生理中は頭痛や吐き気などが生じます)

D子宮が他の臓器や背中、お腹側の腹膜と癒着しているために、生理中刺激が強くなる。

E子宮は通常前か後ろに屈曲していますが、この屈曲が強いために子宮の内容を排出するのが困難。

 生理痛を改善させるためには、これらの生理痛の機序に対処していくと効果的になります。
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 生理痛の原因

生理痛の中には特に病気がなくても生じるものと
病気があるために生じるものがあります

 生理痛が強かったり、下腹部の痛み以外にいろいろな症状を生じて日常生活に支障が出る場合を特に月経困難症といいます。月経困難症には、特に病気がなくても生じるものと、何か他の病気によって月経困難症になる場合とがあります。

月経困難症を起こす状態、病気

  1. 子宮内膜症、子宮腺筋症 (機序@CDE)
  2. 過多月経(生理の量が多い状態) (機序AC)
  3. 子宮頚管の狭窄 (機序B)
  4. 子宮内の避妊リング(IUD)装着 (機序AC)
  5. 流産 (機序@A)
  6. 子宮の奇形 (機序ABE)
  7. 子宮体癌 (機序AC)
  8. 骨盤腹膜炎(クラミジア感染淋菌感染など) (機序CD)
  9. タンポン留置 (機序BC)
  10. 大腸疾患(炎症性腸疾患、憩室炎、過敏性大腸症候群など)
  11. 心身症、うつ病
  12. 性的虐待の経験

出産の経験がない女性は生理痛はが強くなる傾向があります

 多くの生理痛は、特に病気がなくても生じるものです。特に出産の経験がない女性は子宮の出口が狭いために生理痛が強くなる傾向があり、出産後に軽くなることもしばしばあります。しかし、次に挙げるような状態に当てはまる場合は、他の病気をもっている可能性があります。

他の病気による生理痛の可能性がある時

  1. 今までなかった生理痛がなかったのに最近ひどくなった
  2. 年齢とともに生理痛が強くなった
  3. 排尿や排便時に痛みが強くなる
  4. 生理の量が多い
  5. 生理が不順である
  6. 不妊症がある
  7. 通常の痛み止めが効かない

生理不順のページ
不妊症のページ
子宮内膜症のページ

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 月経困難症の症状

生理痛には子宮の痛みの他に症状が出ることがあります

子宮の痛みや他の症状がつらくて
日常生活に支障が出る場合を月経困難症といいます

 子宮の痛み以外に生理と関連する痛みとしては次のようなものがあります。子宮以外の症状が出る主な原因は、子宮から分泌されるプロスタグランディン(PG)です(なぜ生理痛が生じるのかを参照)。

  • 頭痛
  • 吐き気、嘔吐
  • 下痢
  • 倦怠感

 生理時に子宮の痛みが強かったり、上に挙げたような症状がつらくて日常生活に支障がでる場合を月経困難症といいます(生理中、本人がつらければ、誰が何と言おうと月経困難症になります)。

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 生理痛、月経困難症の治療

1)NSAIDs(非ステロイド性消炎剤)

 難しい名前ですが、一般的な痛み止めのことです。生理痛の原因として重要なプロスタグランディン(PG)を抑える薬です(なぜ生理痛が生じるのかの項を参照)。最もオーソドックスな治療法です。
  生理が始まる日の2日前から服用するとより効果的です。生理が不規則な場合は生理が始まったらすぐに服用するとよいでしょう。痛みが出てから服用すると、効果が弱くなります。理由は、生理になると子宮内膜からPGが分泌されますが、このPGが分泌される前に薬で抑えると、PGのひろがりを抑えることが出来るからです。痛みが出た時にはすでにPGが分泌されてしまっているので、薬を飲んだ後はPGの分泌を抑えることが出来ても、もう分泌されてしまったPGによる痛みにはあまり効果がなく、PGが体内からなくなるのを待つしかないからです。

2)経口避妊薬(ピル)

  ピルには子宮内膜をうすくする作用があるので、生理の量が少なくなり、結果として生理痛も軽くなります。また子宮内膜がうすくなることでPGの産生量も減るため、子宮の痛みだけではなく頭痛などにも効果があります。

経口避妊薬のページ

3)芍薬甘草湯

 子宮の収縮を和らげる作用がある漢方薬です。周期的な痛み(痛みが強くなったり弱くなったりを繰り返すタイプの生理痛)に対してはかなりの効果が期待できます。生理開始予定日の2日前から服用すると効果的です。

4)β刺激薬(ズファジラン)

 子宮や血管の筋肉の収縮を和らげる作用がある薬です。切迫流産や切迫早産など子宮の収縮を抑えたい時に使われる薬で、芍薬甘草湯と同様に周期的な痛み(痛みが強くなったり弱くなったりを繰り返すタイプの生理痛)に対してはかなりの効果が期待できます。

5)抗ロイコトリエン薬(キプレス、シングレア、オノン)

通常、喘息などで使用される薬です。ロイコトリエンはPGと同じように子宮内膜から分泌され、痛みの原因になる物質です。他の薬に比べると生理痛に対する効果はあまり強くありませんが、子宮内膜症に伴う生理痛に関しては効果が期待されている薬です。

子宮内膜症のページ

6)サプリメント

 薬剤の他にも、いくつかのサプリメントが生理痛に効くといわれています。

ω3脂肪酸(EPA)

 魚の油に含まれる成分です。1回600mgを1日2回服用します。 通常は高脂血症や動脈硬化の予防に対して服用するもので医薬品としても存在します(エパデール)。

Fennnel Essential Oil

 植物の実である茴香(ういきょう)というものから抽出したものです。2%濃度のものを服用すると効果的とされています。しかし、通常市販されているのはほとんどがアロマテラピー用のものですので、服用できるものが市販されているかどうか分かりません。ただしアロマテラピーとしてやってみても効果があるかもしれません。なお、てんかんがある人はこの治療を行ってはいけません。

ビタミンE

 ビタミンEにはPGを減少させる効果があるため、生理痛に効果があります。1回75−200単位を1日2回、生理開始予定日の2日前から生理の2日目まで服用します。

ビタミンB1(チアミン、サイアミン)

 ビタミンB1が不足するような食生活に人に生理痛が多いと言われているため、ビタミンB1の補給で生理痛を軽く出来る可能性があります。毎日ビタミンB1を100mg服用します。

マグネシウム

 PGの産生を抑えたり、子宮の収縮を軽くすることで生理痛に効果があるとされています。1回4.5mgを1日3回、生理の1-7日前から生理の3日目まで服用します。

 他に病気がある場合はその病気に対する治療も必要になります。

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