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不妊症−2
不妊症の検査に基づいた不妊症の原因について説明しています。
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 不妊症の原因・診断

検査結果をふまえて、妊娠成立を障害している原因を調べるとだいたい以下のようになります。

  1. 排卵障害:基礎体温検査、超音波検査などの異常
  2. 黄体機能不全および着床障害:基礎体温検査、ホルモン検査などの異常
  3. 卵管通過障害:子宮卵管造影検査(+超音波検査)の異常
  4. 子宮頚管の精子通過障害:頚管粘液検査、性交後検査などの異常
  5. 子宮内膜症による不妊:(子宮内膜症のページも参照してください)
  6. 男性不妊:精液検査の異常
  7. 原因不明;一般的な検査をしても原因が見つからないもの

1)排卵障害

排卵障害とは卵胞の成長が不十分で排卵が起こらない状態です
薬剤などで排卵障害が改善できれば比較的高い妊娠率が期待できます

 排卵障害とは卵胞の成長が不十分で排卵が起こらない状態です。妊娠は受精という精子と卵子がくっついて始めて成り立ちますから、排卵が起こらないと当然、不妊症の原因になります。

排卵障害があると

基礎体温:一相性(低温相のみ)か、あるいは低温相が長くなります。

ホルモン検査:LH, FSH, エストロゲン, プロラクチン, 甲状腺ホルモンなどに異常がみられます。

超音波検査:卵胞の成長がみられません。

排卵と排卵障害
 排卵障害の原因としては多くがホルモンの異常で、特に視床下部の障害が多いとされています。他に多のう胞性卵巣症候群や卵巣自体の異常があります。甲状腺機能低下症や高プロラクチン血症が排卵障害の原因となることもあります。原因を探すためにホルモンの採血や負荷試験(ホルモン注射をして注射前と注射後に1〜4回採血をする検査)などを行います。

 排卵障害以外に不妊症の原因がないようであれば、治療によって排卵障害が改善できれば比較的高い妊娠率を期待できます。

排卵障害が原因の場合の治療
排卵障害のページ
女性・妊娠と甲状腺のページ
高プロラクチン血症のページ
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2)黄体機能不全、着床障害

黄体は着床や妊娠初期の流産予防に重要な黄体ホルモンを分泌しています
黄体機能不全があると着床障害や妊娠初期の流産を生じることがあります

 黄体ホルモン(プロゲステロン)には妊娠するのに重要な働きがあります。

黄体ホルモンの働き
 子宮の内膜を成熟させて受精卵が子宮の内膜にくっつく(着床)のを助ける働きと一度着床した卵子がしっかり子宮内にとどまるように子宮が収縮するのを抑えたりする働きがあります。黄体の機能が悪いと不妊症や不育症の原因になります。

黄体機能不全があると

基礎体温:高温相になっても低温相との温度差が0.3℃以内だったり、高温相にまでだらだらと体温が上がり高温相が10日以下だったりします。

ホルモン検査:高温期の中間時期にプロゲステロン, エストロゲンが低くなります。

黄体と黄体機能不全
 黄体機能不全の原因としては黄体のもとになる卵胞の発育が悪いこと、排卵時にでる黄体化ホルモン(LH)の量が少ないことなどがあります。採血でプロゲステロンの値などを測定して診断の助けとします。 甲状腺機能低下症や高プロラクチン血症などが黄体機能不全の原因となることもあります。

 着床障害は黄体機能不全の他に子宮内の腫瘤(子宮筋腫、子宮内膜ポリープ)、子宮腺筋症(子宮にできる子宮内膜症のようなもの)などがあります。

着床障害が原因の場合の治療
黄体機能不全のページ
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3)卵管通過障害

精子と卵子が出会うためには卵管が通っている必要があります
両方の卵管が完全につまっていると自然に妊娠はできません

 卵管は卵管のお腹の内側に開いている開口部から排卵した卵子を取り込み、また子宮側の開口部から子宮を上がってきた精子が卵管の中に進入してきます。そして受精した卵子を卵管の運動によって子宮内まで運びます。したがって卵管は子宮の中からお腹の中まできちんと通っている必要があります。

卵管通過障害があると

子宮卵管造影検査:造影剤がお腹の中に到達せず、卵管のどこかで止まってしまいます(この時、治療の意味もこめて、少し強めに造影剤を注入することが多く、検査中腹痛を強く感じることがあります)。

通気・通水検査:通気検査で注入圧がどんどん高くなり検査中腹痛が増します。通水検査で腹腔内に生理食塩水がたまってきません。

超音波検査:卵管の中に液体がたまる卵管瘤水腫の状態が確認されることがあります。

腹腔鏡検査:子宮に挿入した管からの色素注入で卵管から色素が腹腔内に出てきません。卵管周囲に癒着や卵管の腫れがみられることがあります。

卵管通過障害の原因クラミジア淋菌に以前感染したことがあったり、子宮内膜症があったり、お腹をあける手術をしたことがあったりして、卵管のまわりや卵管内に癒着を生じてしてしまっていることがほとんどです。
癒着・・お腹の中に普通は何も存在しないはずの場所に線維(布きれみたいなもの)ができて、内臓と内臓、内臓と腹膜(お腹の中の臓器を包んでいる大きな袋)がくっついてしまうことです。

卵管が片側だけでも通っていれば、自然妊娠は可能です。

卵管通過障害が原因の場合の治療
クラミジア感染症のページ
淋菌感染症のページ
子宮内膜症のページ

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4)子宮頚管の精子通過障害

子宮頚管の粘液を精子が通れなければ妊娠の確率が低下します

 子宮の頚管粘液は 排卵期にのみ、精子が頚管粘液中を上って子宮内にいけるように水っぽく変化します。しかし、頚管粘液が排卵期なのに水っぽく変化しなかったり、頚管粘液の中に精子を動かなくさせるような物質(抗精子抗体)が存在していると精子が子宮の中に上っていけないため不妊の原因となります。

子宮頚管の精子通過障害があると

性交後検査(ヒューナーテスト、フーナーテスト):頚管粘液内に元気に動いている精子がほとんどいないか、いてもごくわずかな状態です

子宮頚管の精子通過障害の原因

  • 子宮頚管粘液の性状不良・・・排卵障害・卵巣機能不全、多のう胞性卵巣症候群、内服の排卵誘発剤の使用
  • 精液検査異常
  • 頚管粘液に抗精子抗体が存在(血液検査で抗精子抗体の存在を検査)
    注:抗精子抗体の検査には保険が適用されません。
性交後検査異常の場合の治療
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5)子宮内膜症

不妊症の方の約50%に子宮内膜症があるといわれています

 子宮内膜症は主に卵巣や子宮の表面、腹膜(内臓を包んでいる袋のようなもの)に子宮の内膜と同じような組織ができて、生理のたびにそこに出血を起こす病気です。お腹の中や子宮の表面で出血を起こすとそこに繊維ができて周囲の臓器とくっついていきます(癒着)。卵巣で出血を起こすと卵巣に古い出血がどんどんたまって腫れてきます(子宮内膜症性卵巣のう胞あるいはチョコレートのう胞といいます)。そのため、卵巣の機能が悪くなったり、卵管が癒着したりして不妊症の原因になります。不妊症の方の約50%に子宮内膜症があるといわれていますが、一方で子宮内膜症があっても60−90%の人は妊娠するとされています。したがって子宮内膜症があると必ず不妊症になるというわけではありません。
  超音波検査や内診で癒着のがないか、卵巣が腫れていないかを確認します。また、血液検査でCA125というものを測定して診断の助けとします。

子宮内膜症があると

超音波検査:子宮内膜症性の卵巣のう胞があったり、子宮と直腸の間がくっついて子宮の動きが悪くなっていたりします。

内診:子宮と直腸の間を押したり動かしたりすると痛みがあります。

子宮内膜症が原因の場合の治療
子宮内膜症のページ
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6)男性不妊

男性不妊は主に精液検査で評価します

 妊娠には当然精子の存在が必要です。男性側に勃起しない、射精しない、精子の数が少ない(または全くいない)時は男性側に不妊症の原因があると思われます。男性不妊の原因の90%は精子形成障害(精液検査の異常)です。なお、その場合でも女性側の検査もひと通りはやっておいた方が無難です。
 精液検査の異常については原因は不明のことも多いのですが、男性生殖器の炎症や静脈の通過障害(精索静脈瘤)、ホルモン異常、逆行性射精(体外ではなく膀胱内に射精してしまう)、精液の通路の閉塞、生まれつきの異常などがあります。

男性不妊があると

精液検査:精液の量が少ない、精子の濃度が低い、精子の運動率が悪い、正常な精子が少ないなどの異常がみられます。

触診:精巣の大きさが小さかったり、精索静脈瘤が触れたりします。精巣付近の炎症が原因であれば触ったときに痛みを感じることがあります。

男性不妊の場合の治療
男性不妊症のページ
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7)原因不明

一般的な検査で不妊の原因がわからないことも少なくありません

 一般的な不妊症の検査をしても原因が分からない場合は原因不明ということになり、機能性不妊というよび方をすることもあります(約10-15%)。

普通の検査では判断困難な異常

  • 排卵しても卵管に卵子が取り込まれない
  • 卵子と精子が出会ってもうまくくっつかない(受精障害)
  • 受精しても受精卵が子宮にくっつかない(着床障害)
  • 通常の検査では判断できないような子宮内膜症が存在
  • 一般的検査では分からない卵管周囲の癒着
  • 一般の検査ではわからない精子の形態異常
  • 黄体機能が不十分
  • 卵子の質が悪い

  さらに原因を追求するために、腹腔鏡検査をしたり、今まで施行した検査を何度か繰り返し施行したりすることがあります。

原因不明(機能性不妊)の場合の治療
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