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不妊症−3
不妊症の原因別に治療法を説明しています。
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 不妊症の治療(一般的な進め方)

時間的・金銭的に負担の少ないものから始め
段階を追って負担が多いけれども妊娠率の高くなる治療へ進みます

  一般的な検査で不妊の原因が見つかれば、その原因に対して治療していきますが、なにも原因が見つからなかった場合は年齢や希望をふまえて医師と相談の上、治療法を決めていくことになります。
  まず、軸となる治療法を説明します。 一般的な不妊治療は下の1〜3までです。2年間の治療で約半分の方が妊娠します。それでも妊娠しない場合や最初から一般不妊治療で妊娠が期待できない場合は4の高度不妊治療(体外受精)へ進むことになります。治療は妊娠するか本人が治療を希望しなくなるまで続けられます。

1)タイミング指導

 排卵の時期を推定して、妊娠しやすい時期に性行為をする方法です。基礎体温表、尿中LH測定、唾液検査、超音波検査などいくつかの方法があります。複数を組み合わせた方が排卵の時期を特定しやすくなります。

この中で病院でなければ出来ないのは超音波検査だけですが、超音波検査を組み合わせることが最も排卵時期を推定するのに確実性があります。

2)排卵誘発剤

 排卵障害がある場合には排卵をさせるために使いますが、排卵障害がない場合でも使用します。排卵障害がない場合は排卵する卵子の数を増やすのが目的のひとつです(数撃ちゃあたる戦法です)。 他にも黄体の機能を良くする目的や卵の質を高めるためなどにも使われます。

3)人工授精

 調整した精子をチューブを使って子宮内に直接入れる方法が人工授精です。通常、膣や子宮頚管粘液で多くの精子が脱落し、その先の子宮内、そして受精場所である卵管へと到達する精子はわずかしかいません。調整して元気な精子を集め、それを子宮の中に入れることで卵管まで到達する精子の数を飛躍的に増やし受精の確率を高めようとするのが人工授精です。

人工授精のページ

4)体外受精

 体外受精とは文字通り体外で受精させる方法です。具体的には女性の卵巣に針を刺して卵子を採取し、それを精子と一緒の培養液に入れて受精を試みて、授精が成功すれば受精した卵(受精卵)を子宮内に戻す、というのが体外受精です。体外受精の中でもただ培養液に一緒に入れるだけでなく精子を直接卵子に注入する方法を顕微授精といいます。

体外受精のページ

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 不妊症の治療(病態別)

  次にそれぞれの病態に対しての治療法に移ります。治療法は年齢や不妊期間あるいは施設によって異なってきますので、だいたいこんなことをするという感覚で読んでください。

1)原因不明の不妊(機能性不妊)

不妊期間が短く年齢が若ければ6ヶ月〜1年、無治療で自然妊娠トライ
約3−6ヶ月間、タイミング指導のみ
約3−6ヶ月間、排卵誘発剤+タイミング指導
約3−6回まで(排卵誘発剤+)人工授精
体外受精

2)排卵障害が原因の場合の治療

排卵障害の原因・治療:排卵障害のページを参照してください。

排卵が確認されれば

約3−6ヶ月間、排卵誘発剤(内服・注射)+タイミング指導
約6回まで排卵誘発剤(内服・注射)+人工授精
体外受精

3)着床障害・黄体機能不全が原因の場合の治療

着床障害の原因の検索を行い、着床障害の原因に合った治療を行います。

  • 子宮内のできもの(子宮筋腫、子宮内膜ポリープなど) ⇒ 手術による摘出後、機能性不妊と同じ治療を行います。
     
  • 子宮腺筋症 ⇒ 場合により外科的切除を行った後に機能性不妊と同じ治療を行います。
    子宮腺筋症の病変が大きい場合には妊娠が厳しいこともあり、早めに人工授精や体外受精などに進んで行く必要があると思われます。軽い子宮腺筋症で不妊期間が短い場合は無治療のまま機能性不妊と同じ治療を行うこともあります。
     
  • 黄体機能不全 ⇒ 黄体機能不全の原因となる病態を改善させたり黄体ホルモンを補ったりしながら機能性不妊と同じ治療を行います。
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4)卵管通過障害が原因の場合の治療

 卵管が片側だけつまっているとき ⇒ 機能性不妊と同じ治療を行います(ただしそれぞれの期間を短くすることはあります)。

 卵管が両方ともつまっているとき ⇒ 体外受精が必要です。

 卵管の閉塞に対して卵管が開通するような手術やカテーテルを用いて卵管を開通させる処置を行うことがあります。ただし現時点では手術後の妊娠率がそれほど高くはなく子宮外妊娠の可能性が高くなるといわれており、また卵管を開通させるような処置を行っている施設も限られていることから、広く行われているものではありません。現時点では卵管を開通させるような処置は行わず、体外受精に進むのが一般的と思われます。もちろん年齢的にまだ余裕があり、卵管を開通させるような処置を行っている施設が近くにあれば、卵管を開通させる処置を行うことも選択肢の一つになると思われます。

5)子宮頚管の精子通過障害が原因(性交後検査の異常)の場合の治療

a)頚管粘液の性状が悪い原因がホルモン(卵胞ホルモン:エストロゲン)の低下であれば

(約6ヶ月間、注射の排卵誘発剤+タイミング指導)
約6回まで人工授精
体外受精
抗精子抗体(精子の運動を妨げる物質の存在)が原因であれば子宮頚管を通りこして子宮内に精子を送り込む必要があるので
約6回まで人工授精
体外受精

 抗精子抗体は頚管粘液に多く含まれますが、そこだけでなく他の場所にも出現しますので全体的に妊娠率が低くなります。

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6)子宮内膜症が原因の場合の治療

 子宮内膜症が軽度の場合(癒着が軽く、卵巣の機能に問題がない場合)は、年齢が若く、不妊期間が短ければ、機能性不妊と同じ治療から開始します。
  しかし、子宮内膜症は妊娠する確率が低く、早めに妊娠率の高い治療を優先させることが多くなります
  不妊症の方に対する子宮内膜症の検査・治療に関しては、状況に応じて腹腔鏡による検査・治療を行います。腹腔鏡で癒着の程度や病気の拡がりを確認し、癒着があればそれをはがしたり、卵巣が腫れていれば、その治療をします。子宮内膜症の状態によって治療方法はまちまちなので治療法を示すのが困難ですが、だいたいの方針を示します。進行した子宮内膜症の場合、高度の不妊治療を行っても妊娠に至らないことがあり、また、治療しても再発することがあるため何度か検査・治療を繰り返すこともあります。治療を継続するのには忍耐力が必要となります。

・軽い子宮内膜症

--卵管が通っていて、卵巣の機能に問題がない時で年齢が若く、比較的不妊期間が短い時--

 (腹腔鏡検査 ⇒) 機能性不妊と同じ治療

・中等度以上の子宮内膜症

 (腹腔鏡検査・治療 ⇒) 6回以下の人工授精 ⇒ 体外受精

・卵管が閉塞している時

 (腹腔鏡検査・治療 ⇒) 体外受精

子宮内膜症のページ(不妊に対する治療)

7)男性不妊が原因の場合の治療

 ホルモンの低下が原因の時は、ホルモン注射を行い、自然妊娠を試みます。
 勃起不全が原因であれば、薬剤を使用して性行為可能となれば自然妊娠を試みます。
 手術などで改善する可能性がある病態(精索静脈瘤や精管切断後など)ではまず手術を行い、精液所見が改善すれば自然妊娠を試みます。

 それ以外では人工授精体外受精を必要とすることが多く、また陰嚢に針をさしたり、手術をしたりして精子を取り出す方法をとることもあります。

男性不妊症のページ

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