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婦人科的な悩み妊娠中の不安内科的な病気
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高プロラクチン血症
高プロラクチン血症は生理不順、不妊症、流産の原因になります。高プロラクチン血症の説明です。
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 高プロラクチン血症とは

プロラクチンは生理や妊娠に影響を与えるホルモンです

 プロラクチンはもともと哺乳類以外の生物では生きていくのに必要不可欠なホルモンであったようですが、人間も含めた哺乳類では、主に母乳に関係するホルモンです。プロラクチンの作用によって乳腺が発育し乳汁が作られます。母乳をあげている間は、母体のためにすぐ妊娠しないような体の状態になります。この妊娠を妨げる働きをする代表格がプロラクチンです。したがって、授乳期以外でもプロラクチンが高いと妊娠しにくくなります。なお、このホルモンは脳の下にくっついている下垂体というところから分泌されています。

プロラクチンの働き

 高プロラクチン血症になると、生理が不順になったり、生理がなくなったりします。不妊症や流産を繰り返す原因にもなります。また、産後でもないのに母乳がでることがあります。高プロラクチン血症の程度が軽い場合は黄体機能不全のみに影響し、高度の場合には排卵障害を引き起こす傾向があります。

 高プロラクチン血症の原因

プロラクチン産生腫瘍と薬剤によるものがほとんどです

 高プロラクチン血症になる原因は次の様なものがあります。

  1. プロラクチン産生腫瘍(プロラクチノーマ)
     
  2. 視床下部の異常
     
  3. 甲状腺機能低下症
     
  4. 薬剤によるもの
     
  5. 妊娠、授乳

妊娠・授乳を除けば、プロラクチン産生腫瘍と薬剤によるものがほとんどです。

1. プロラクチン産生腫瘍(プロラクチノーマ)

 脳の下にくっついている下垂体という場所から本来プロラクチンが作られ分泌されますが、その下垂体に腫瘍(腺腫)ができて、そこからプロラクチンがたくさん分泌される病気です。女性では小さい腫瘍が多く、画像検査ではわからないことも少なくありません。大きな腫瘍になると視野が狭くなったり視力が低下したりします。大きいものは手術、小さいものは薬による治療を行います。

プロラクチン産生腫瘍

2. 視床下部の異常

  視床下部という脳の一部に腫瘍などの病変があったり、視床下部の機能に小さな異常があったりするとプロラクチンが高くなることがあります。視床下部の小さな機能異常の場合、日中はプロラクチンが高くなくても夜間に高くなる潜在性高プロラクチン血症という病態となることがあります。脳に腫瘍など治療を必要とす病気があればそれに対する治療を行います。画像検査で明らかな異常がない場合は、薬による治療を行います。潜在性高プロラクチン血症に対しては、不妊症や流産を繰り返す場合、薬による治療が必要になります。

3. 甲状腺機能低下症

 甲状腺機能低下症の中で甲状腺自体に原因があって甲状腺の機能が低下している場合、高プロラクチン血症の原因となります。甲状腺の機能が低下し、甲状腺ホルモンが少ないと甲状腺ホルモンをたくさん出そうとして脳が甲状腺に向かって命令を出します。この命令をするホルモンはTRHという視床下部から出るホルモンです。このTRHというホルモンが甲状腺以外にプロラクチンの分泌も刺激してしまうので、プロラクチンが高くなります。

甲状腺機能低下症のページ

高プロラクチン血症と甲状腺機能低下症

4. 薬剤によるもの

 いろいろな薬剤でプロラクチンは高くなります。代表的なものは、精神科・心療内科などでよく使われる薬の一部と胃薬の一部です。

5. 妊娠・授乳

 プロラクチンは主に母乳を作るのが大きな働きなので、妊娠中から授乳中まで高くなります。当然この時期にプロラクチンが高いのは正常であり、病気ではありません。

6.運動

 運動により一時的にプロラクチンが上昇します。運動を中止すると速やかに元に戻ります。

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 高プロラクチン血症の診断

血液検査でプロラクチンの濃度を測定して診断します

 血液検査でプロラクチンの濃度を測定します。通常の採血でプロラクチンが正常でも排卵障害や黄体機能不全など潜在性高プロラクチン血症が疑われる時は負荷試験を施行することがあります(薬剤を注射して15ー30分後に採血をする検査)。またプロラクチンの濃度がとても高い時には頭のレントゲン写真と、MRIという画像検査を行います。

 潜在性高プロラクチン血症: 日中はプロラクチンが正常ですが、夜間のプロラクチンが高くなる病態です。この病態でも排卵障害や黄体機能不全を生じて不妊症や不育症の原因になることがあります。

 高プロラクチン血症の治療

通常は薬による治療を行いますが
頭に大きな病変があり薬が効かない時は手術をします

1. プロラクチン産生腫瘍(プロラクチノーマ)

小さいもの:ドパミン製剤を使います。これにより腫瘍も小さくなることが期待出来ます。
大きいもの:ドパミン製剤の効果がなかったり、巨大で妊娠を希望する時は手術が必要になります。これは妊娠するとプロラクチン産生腫瘍が大きくなる可能性が高くなるためです。通常、手術は上唇と前歯の間を切開して行います。

ドパミン製剤
代表的な薬剤としてパーロデル、テルロン、カバサールがあります。前2者は毎日服用するのに対してカバサールは週1−2回の服用で十分です。服用し始めの頃は、心臓がドキドキしたり、血圧が上がったり下がったり、頭痛、吐き気などの症状が出やすいので、少量から始めて薬に体を慣れさせながら使っていきます。続けるうちにそのような症状は軽くなっていくことがほとんどです。

パーロデル、テルロン、カバサールの効果と副作用

2. 視床下部の異常

 ドパミン製剤を使います。

3. 甲状腺機能低下症

 甲状腺ホルモンが低下した原因を調べたうえで、甲状腺ホルモンを服用します。少量から始めてその人にあった量まで増やしていきます。

甲状腺機能低下症のページ

4. 薬剤によるもの

 妊娠の希望があったり、流産を繰り返す場合は使用しているお薬が中止可能なものなら、そのお薬を中止します。中止不可能なら、使用しているお薬を他のものに代えます。それも不可能な場合は、ドパミン製剤を使用することがあります(あまり理にかなった方法ではありません)。特に妊娠の希望がなければ治療の必要はありません。

5. 妊娠、授乳

 当然治療は不要です。ただし、授乳を終了しても母乳がなかなかとまらなかったり、高プロラクチン血症が続く時はドパミン製剤を使います。その場合、通常短期間だけ(2−3週間以内)で十分です。

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