子宮頚癌検診は子宮頚部細胞診や内診、超音波検査などで行われますが、中心となるのは子宮頚部細胞診検査です。子宮頚癌検診は最も有効な癌検診のひとつです。他の多くの癌が、癌になる手前の状態(前癌病変)が不明だったり、見つけるのが困難だったりするのに対して、子宮頚癌は前癌病変が分かっています(一部の子宮頚癌では分からないものがあります)。したがって、毎年、子宮頚癌検診をしっかり受けていれば、かなりの確率で子宮頚癌を防ぐことができます。
1)方法
膣から器具を挿入して、子宮の出口である子宮頚部を診察し、綿棒やへらなどで子宮頚部をこすって細胞を採取します。痛みはほとんどなく、わずかな時間で終了します。
採取した細胞をスライドグラスに塗りつけて、細胞診断士や病理診断医のもとへ検査に出します。結果が出るまで3−10日程度かかります。
2)診断・治療
顕微鏡でみた細胞の所見から、以前から日本でおこなわれている日母分類では1−5に分類します。近年はベセスダシステムという基準を用いることが多くなってきています。これは子宮頚がんの主要な原因であるヒトパピローマウィルス感染を重要視し、またどんな組織が予想されるかということをより詳しく分類したものになります。
< 日母分類 >
細胞診
class分類 |
T |
U |
V |
W |
X |
| a |
b |
予想される
組織 |
正常 |
炎症 |
軽度異形成 |
高度異形成 |
上皮内癌 |
進行癌 |
| 診療方針 |
1年後 |
必要に応じ
再検査 |
コルポスコピー |
円錐切除術など |
手術など |
< ベセスダシステム >
結果 |
略語 |
予想される組織 |
日母分類
との対応 |
方針 |
陰性 |
NILM |
非腫瘍性病変
炎症 |
T/U |
1-3年後 |
意味不明異型扁平上皮 |
ASC-US |
LSIL疑い |
|
|
高度病変を除外できない
異型扁平上皮 |
ASC-H |
HSIL疑い |
V/Vb |
コルポスコピー |
軽度扁平上皮内病変 |
LSIL |
HPV感染
軽度異形成 |
Va |
コルポスコピー |
高度扁平上皮内病変 |
HSIL |
中等度異形成
高度異形成
上皮内癌 |
|
コルポスコピー
円錐切除
|
扁平上皮癌 |
SCC |
扁平上皮癌
(微小浸潤含む)
|
X |
手術など |
異型腺細胞 |
AGC |
腺異形成
腺系病変疑い
|
V |
コルポスコピー |
上皮内腺癌 |
AIS |
上皮内腺癌 |
W |
円錐切除術
子宮摘出術 |
腺癌 |
Adenocarcinoma |
腺癌 |
X |
手術など |
その他の悪性腫瘍 |
Other |
その他の癌 |
X |
手術など |
3)異形成の時の対応について
異形成の全てが癌へと進行するわけではありません。
軽度異形成では約70%が数ヶ月で正常に戻り、高度異形成以上に進展するのは数%程度です。正常になっても2−3年は3−6ヶ月ごとの細胞診やコルポスコピー検査が必要です。病変が進めば、それに応じた対応が必要になります。
高度異形成では約40−50%が軽度異形成以下の病変に戻り、20−30%が上皮内癌に進展します。細胞検査がVa以下になっても3ヶ月ごとの細胞診やコルポスコピー検査が必要です。病変がそのままなら、レーザー治療、凍結療法(CRYO)、円錐切除術などの処置を考慮します。
なお上皮内癌では50−70%が進行癌になります。上皮内癌では円錐切除術、子宮摘出術などが必要になります。 |