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婦人科的な悩み妊娠中の不安内科的な病気
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糖尿病−3
糖尿病の治療は食事、運動が基本です。加えて薬剤治療についても薬剤名も含めて解説しています。
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 糖尿病の治療

point: 1型糖尿病の治療の基本はインスリン注射、2型では食事と運動です。

 糖尿病の治療の目的は、高血糖による症状を改善することだけではなく、『糖尿病から生じる合併症の予防と治療を行い、健康人と同様の生活レベルを維持し、健康人と変わらない寿命を全うすること』になります。その目的を達成するための手段として、血糖や血圧を出来るだけ良好に保つ必要があります。

血糖コントロールの目標値
HbA1c 朝食前血糖 食後血糖
6.5%未満 130mg/dl未満 180mg/dl未満
妊娠中はより厳しい血糖コントロールが必要です

1型糖尿病; 病気によってインスリンが分泌されないことが高血糖の原因ですから、ふつうの生活の中で不足しているインスリンを補うことがが基本になります。ただし、1型糖尿病では血糖の変動が大きく血糖のコントロールが困難であるため、食事の量の調節や、運動時の対応、食事がとれない時の対処方法など、2型に比べていろいろな点を注意していかなければなりません。多くの1型糖尿病では生きるためにインスリン注射が必要不可欠であり、なおかつ合併症を予防するためにより良い血糖コントロールを目指す必要があります。

2型糖尿病; 糖尿病になりやすい体質をもった人が、食事・運動などの生活習慣の乱れによって発症する糖尿病ですが、体質をかえることは非常に難しいので、生活習慣を改善していくことが治療の基本になります。生活習慣をしっかりしないまま薬だけで血糖を下げようとすると、どんどんお腹の中に脂肪が増えていきます。すると、糖尿病特有の合併症である網膜症、腎症、神経障害の危険性は減りますが、大血管障害である脳梗塞、心筋梗塞の危険性はあまり減りませんしむしろ増加してしまうこともあります。したがって、安易に薬で血糖を下げればよいというものではありません。あくまで基本は食事と運動であり、それでも十分に血糖が下がらない場合、食事・運動療法に加えて薬を使用することになります。

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 食事療法

摂取エネルギー量

軽労働者(事務職など) 25〜30(kcal)×標準体重(kg)
中労働者(立ち仕事) 30〜35(kcal)×標準体重(kg)
重労働者(肉体労働) 35〜  (kcal)×標準体重(kg)
肥満者 20(kcal)×標準体重(kg)

標準体重(kg)=身長×身長×22
( 身長はm(メートル)になおしてから当てはめます)

エネルギー摂取比率

炭水化物(糖質) 蛋白質 脂質(脂肪)
50−60% 20% 20-25%

 食事は上記を基本として行います。また、食物繊維をしっかりとるといった工夫も必要です。しかし、栄養の専門家や毎日カロリーを計算しながら料理している方を除けば、カロリー計算や栄養素の配分を考えるのはとても困難な作業です。そのため、簡単にカロリー計算が行えるようにいろいろな本が出版されています。なかでも基本となるのが食品交換表(日本糖尿病協会・文光堂)です。80kcalを1単位として計算します。

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 運動療法

 筋肉は糖をエネルギーに変えて動きます。したがって筋肉は糖を消費することで血糖を下げることができる主要な組織になります。運動中はもちろん糖が下がりますが、運動が終わった後も運動によって筋肉内に足りなくなった糖を補充していくので運動後も数時間は糖は上がりづらくなります。

 脂肪も筋肉のエネルギー源になります。したがって運動によって体の脂肪を減らすこともできます。効率よく脂肪を減らすためには、あまり激しくない運動を長時間行うのが効果的です(有酸素運動)。激しい運動では脂肪をエネルギーとしてあまり利用してくれないからです。脂肪が減るとインスリンが効きやすくなりインスリン抵抗性が改善することで血糖が下がりやすくなります。筋肉の性質も変化し、同じ筋肉量でも糖を多く取り込んでくれるようになります。また筋肉量が増えれば、血糖は下がりやすくなるだけでなく、基礎代謝量も上昇するため太りづらくなります。(肥満・ダイエットのページも参照してください)

 ただし、体の状況によっては運動によって体調が悪くなってしまうことがあります。次に当てはまる方は運動をしてよいのかどうか、医師に確認する必要があります。

運動が危険な方・運動する前に医師に確認する必要がある方

  • 血糖コントロールが不良
  • 血圧が高い
  • 糖尿病性の合併症(網膜症、腎障害、神経障害)がある
  • 大血管障害の疑いがある(心臓、脳など)
  • 膝・腰に痛みがある

なお、これらに当てはまらなくてもかかりつけの医師によく相談してから運動するようにして下さい

1型糖尿病; 治療のために運動を行わなければいけない、ということはありません。インスリンはエネルギー源である糖が筋肉に取り込まれるのに必要であす。また運動によってふだん以上に糖が筋肉に取り込まれやすくなり血糖も低くなりやすくなります。したがって1型糖尿病の方では運動する時でもインスリン注射を中止してはいけませんが、注射の量の調整は必要になります。また一定時間毎に軽食を補充する必要もあります。インスリン調整と軽食の補充を行えば、どんな運動でも行うことができます(ただし、合併症の存在によっては運動の制限が必要になることがあります。)

2型糖尿病; 体の中で最もエネルギーを消費するのは足の筋肉です。腕で数十キロの荷物を運ぶのは大変ですが、足は歩くだけで数十キロの体を何回も上げ下げしていることになります。つまり歩くことが最も効率のよい運動なのです。
  具体的には毎回食後に30分くらい歩くのが理想的で、それだけで約9000歩になります。目標は1日1万歩(約400kcal)です。薬やインスリンを使用していなければ食前の運動でもかまいませんが、薬やインスリンを使用している場合は食前の運動は低血糖の危険がありますので、主治医に相談してから行うようにするとよいでしょう。またふだんあまり動いていない方は急な運動量の増加は体に負担となりますので、まずは今の歩数より1日から数日かけて1000歩ずつ増やしていくとよいでしょう。肥満者では歩行により膝や腰に負担がかかり痛みが生じることがあります。そうなると、運動も出来なくなり逆効果となりますから、歩行よりも水泳や自転車などが勧められます。ペットボトルなどを持ってテレビなどを見ながら腕を振り続けるのも効果があります。

運動による消費カロリーの目安(体重60kgの場合)
30分で80kcal 散歩 家事 買物
20分で80kcal 歩行 入浴 階段(下り) ラジオ体操 自転車 ゴルフ
10分で80kcal ジョギング 階段(上り) バレーボール テニス
5分で80kcal マラソン なわとび バスケットボール 水泳
(糖尿病運動療法指導の手引き 南江堂より)
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 薬物療法

 1型糖尿病の方のほとんどでインスリン注射が必要になります。2型糖尿病でも食事や運動だけで血糖が十分に下がらなければ薬が必要になります。ここでは血糖を下げる薬の特徴を簡単に説明します。インスリンやインスリンの分泌を刺激するタイプの薬は食事・運動をしっかりやらないとどんどん体重が増えてしまいますから注意が必要です。

  • インスリン
    現在日本で使用できるインスリンは注射するタイプのものだけです(海外でも注射以外のものはまだ実験段階です)。超速効型、速効型(R)、中間型(N)、持続型の4種類があり、加えて2種類のインスリンが一緒に入っている混合型もあります。ペンの形をしたものが主流です。病態や生活パターンなどによって注射回数、インスリンの種類を決めていきます。注射は1日1−4回行うか、専用の機械を使用して持続的に皮下注射する方法もあります(CSIIといいます)。
    超速効型 ヒューマログ ノボラピッド アピドラ
    速効型 ヒューマリンR ヒューマカートR ノボリンR イノレットR
    中間型 ヒューマリンN ヒューマカートN ノボリンN イノレットN
    持続型 ランタス レベミル
    混合型 ノボリン30R(30%が速効型、残りが中間型)
    ノボリン30mix(30%が超速効型、残りが中間型)
    ヒューマログmix25(25%が超速効型、残りが中間型)
    など

     
  • DPPW阻害剤
    最近注目されているインクレチン薬です。インクレチンとは消化管から出る物質でインスリンを分泌させ血糖を下げる働きがあります。インクレチンにはGIPとGLP-1の2種類ありGIPには脂肪をため込む働きがあり、逆にGLP-1は食欲を抑えて体重を減らす効果があります。また高濃度ではインスリンを分泌する膵臓のβ細胞を増やす可能性もあります。また単独では低血糖の危険もなくインスリン抵抗性がある方にもインスリンの分泌が低下している方にも両方の方に効果が期待できます。DPPWというのは体の中でインクレチンを分解する酵素です。この酵素の働きを抑えることで体の中のインクレチンの濃度を高めてインクレチンの効果を強く出るようにしたのがこの薬です。(近日中GLP-1の注射薬が出る予定で、さらに良い効果が期待されています)
    インクレチンに関して詳しく知りたい方はこちら。
    代表的なDPPW阻害剤 グラクティブ

     
  • スルホニル尿素薬(SU剤)
    古くからある糖尿病治療薬です。膵臓を刺激してインスリンの分泌を刺激する薬剤です。血糖下げる効果が強く、薬の効果も長く続きます。1日1-2回服用します。効果が強く長い分、低血糖をおこすとなかなか回復しないことがあり、その場合入院が必要になります。また、膵臓を刺激する薬なので、膵臓のインスリンを分泌する力が高度に低下していると効果がなく、長期に使うと膵臓のインスリンを分泌する力が弱ってしまうことがあります。高度の腎臓や肝臓の障害があると使用できません。
    代表的なSU剤 オイグルコン グリミクロン アマリール
       
      
  • グリニド系薬剤
    スルホニル尿素薬と同じく膵臓を刺激してインスリンの分泌を刺激する薬剤です。スルホニル尿素薬よりも非常に速く効果が出現し3時間程度で効果がなくなります。食事の直前に服用します。薬を飲んでから食事までの時間が長いと低血糖になる危険があり、食事の後に飲むと効果が小さくなります。スルホニル尿素薬に比べて効果が弱いため、食前血糖があまり高くなく食後の血糖が高くなる方(糖尿病の初期の方など)に対して使用します。通常、毎食前に飲む必要がありますが、スルホニル尿素薬に比べると膵臓への負担は軽くなります。スルホニル尿素薬との併用は出来ません。
    代表的なグリニド剤 ファスティック グルファスト
         
      
  • ビグアナイド薬
    この薬は血糖を筋肉に取り込まれやすくして血糖を下げる薬です。糖が取り込まれやすくなるためインスリンの必要量が減りインスリン抵抗性が改善します。1日1−3回服用します。古くからある薬で一時期は乳酸アシドーシスという重篤な副作用のため、あまり使用されていなかった薬です。しかし海外の研究で大血管障害が減少するという結果や体重増加をきたしにくいということが報告され、また薬の値段も非常に安いこともあり、今では多くの糖尿病の方に使用されています。現在使われているビグアナイド薬では乳酸アシドーシスの副作用は非常に稀です。血糖の他に中性脂肪やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を下げる作用もあります。腎臓や肝臓、心臓に障害があると使用できません。大量にアルコールを飲む人にも使用できません。
    代表的なビグアナイド薬 グリコラン メルビン
      
      
  • αグルコシダーゼ阻害薬
    炭水化物は唾液や膵液、小腸にある酵素などによって小さく分解され、ブドウ糖や果糖になった状態で主に吸収されます。αグルコシダーゼ阻害薬は主に小腸の酵素に働いて炭水化物の分解を遅らせることで糖分の吸収をゆっくりにして、食後の血糖上昇を抑える薬です。毎食直前に服用します。お腹が膨れたり、おならが出やすくなったり、下痢・便秘などの副作用があります。
    代表的なαグルコシダーゼ阻害薬 グルコバイ ベイスン セイブル

      
  • チアゾリジン薬
    内臓脂肪を減らし抗動脈硬化作用のあるアディポネクチンという物質を増加させる薬です。このアディポネクチンが少ないと内臓脂肪が増加しインスリン抵抗性が増悪します。アディポネクチンは動脈硬化を防ぎ、基礎代謝を増加させて内臓脂肪を蓄積しづらくさせ、中性脂肪を減少させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす作用があります。しかし皮下脂肪の数は増えやすくなり、食事。運動をしっかり行わないと体重は増えやすくなります。また、特に女性で足のむくみが出現することがあります。1日1回服用します。
    代表的なチアゾリジン薬 アクトス
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