骨粗しょう症は、ホルモンの病気や薬によって生じるもの、閉経に伴って生じるもの、生活習慣によって生じるものなどがあります。女性の場合は閉経に伴って生じるものがほとんどですが、男性に比べると、骨粗しょう症となるようなホルモンの病気にもかかりやすいので注意が必要です。
1)ホルモンの病気や薬によるもの
- 甲状腺機能亢進症:
甲状腺のホルモンが上昇した状態が続くと骨がもろくなることがあります。通常、動機や発汗、体重減少、不眠症、手の振るえなどの症状を伴います。(甲状腺機能亢進症のページ参照)
- クッシング症候群:
副腎という腎臓の上にある小さな臓器からのコルチゾール(副腎ステロイド)というホルモンが高くなる病気です。コルチゾールには骨をもろくさせる働きがあるため、骨粗しょう症となります。顔やおなかがふっくらしてきたり、肩が盛り上がってくるような体型の変化を伴います。他に高血圧、糖尿病を合併することも多いです。
- 副甲状腺機能亢進症:
副甲状腺は甲状腺の裏側にある、とても小さな臓器です。副甲状腺ホルモンは骨からカルシウムを溶かして、血液中のカルシウム濃度を調整しているホルモンです。このホルモンが高くなると骨をどんどん溶かしてしまうので骨がもろくなります。
- 卵巣機能不全:
卵巣からでるホルモンの中でもエストロゲン(卵胞ホルモン、女性ホルモン)は骨を丈夫にするという大切な働きがあります。エストロゲンが低下すると閉経後と同じような状態になり、骨粗しょう症になりやすくなります。
- ステロイド剤の使用:
プレドニン、デカドロンなどに代表される副腎ステロイド剤はいろいろな病気に対して優れた効果を発揮しますが、長期に渡って服用すると、クッシング症候群と同じような状態となり、骨がもろくなります。
2)閉経後に生じるもの
女性ホルモンであるエストロゲンには骨を丈夫にする働きがあります。閉経に近づくとこのエストロゲンが徐々に少なくなり閉経後数年でとても低くなります。エストロゲンの低下に伴い閉経後10年以内に骨はとてももろくなります。このようにして閉経後に骨粗しょう症が生じます。女性は誰でも閉経後には閉経前に比べて骨がもろくなりますが、どのくらい骨がもろくなるかは個人差があります。したがって、全ての女性が骨粗しょう症になるわけではありません。体質や生活習慣(食事、運動など)によっても影響を受けます。
3)生活習慣によるもの
骨がもろくなることは生活習慣(食事、運動など)とも関連します。
- 食事:
食事から摂取できる骨を丈夫にする栄養としては、イソフラボン、カルシウム、ビタミンD、カリウム、マグネシウムなどがあります。これらが不足すると骨がもろくなる可能性があります。したがって、これらを含む食品をしっかり食べる必要があります。ここで注意していただきたいのは、不足すると骨がもろくなりやすいのですが、必要以上に食べたからといって骨がさらに丈夫になるわけではありません。例えばカルシウムをたくさん摂取する国ほど骨折が多いというデータもあるくらいです。それぞれの栄養素が含まれる食品については治療の項を参考にして下さい。
- 体重:
体重が多い人ほど骨は丈夫になっています。これは常に重い体重を何とか支えようと骨ががんばっているためです。ただし、肥満はいろいろな病気のもとになりますから、骨のためだけに太ることは良いことではありません。また、必要以上のダイエットは骨がもろくなる原因になりますから注意してください。
- 運動:
運動は確実に骨を丈夫にする効果があります。特別に運動をしている必要はなく、ふだんたくさん歩いているか、歩くスピードが速いかなどに影響されます。
|