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婦人科的な悩み妊娠中の不安内科的な病気
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つわり・妊娠悪阻−1
つわり(妊娠悪阻)の原因と対応についての説明です。
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 つわり(妊娠悪阻)とは
 
1)つわりとは
 
 つわり(妊娠悪阻)とは妊娠に関連して生じる吐き気のことを言います。妊娠女性の85%につわりの症状が生じます。典型的には朝に調子が悪くなるとされていますが、実際朝だけ症状が起きる人はつわりを感じる人の2%だけで、80%の人が一日を通していろいろな時間に症状が生じます。早ければ妊娠4週頃より生じ、妊娠9週をピークとして通常は妊娠14週頃までに症状がなくなるとされていますが、実際には約13%の人で20週を超えてもつわりの症状が続きます。
つわりの女性

2)つわりはなぜ起きるのか
 
  妊娠4-12週の時期は胎児の重要な臓器ができ始めるころで、この時期は胎児が一部の薬などに影響を受けやすい時期です。つわりがこの時期にほぼ一致していることは、つわりは胎児を守るための母体の反応ではないかと考えられます。その胎児を守ろうとする力がが強い人ほどつわりがひどくなりやすく、そのような母体から生まれた赤ちゃんは異常が少ないのではないかとも言われています。

3)つわりがひどくなると
 
  嘔吐が激しい場合や食事・水分がほとんど取れない場合には、脱水やビタミン不足によって具合が悪くなります。主に足りなくなりやすいビタミンはビタミンB群、ビタミンCです。特にビタミンB1が不足した状態が続くと脳の一部に障害が生じることがあります。これはウェルニッケ脳症とよばれ、意識障害や複視(物が二重に見えること)、うまく体が動かせないなどの症状が生じます。ウェルニッケ脳症の治療が遅れると死に至ることもあり、約半数の人に後遺症が残るとされています。とはいえ、現代ではつわりでウェルニッケ脳症になることはほとんどありません。また脱水で腎臓や肝臓の機能が悪くなったり、頭がぼーっとしたりすることがあります。つわりは軽ければそれほど母体や胎児に影響が及ぶことはありませんが、ひどい場合(重症妊娠悪阻)には適切な治療が必要になります。当然、症状が強いときには治療によって症状を緩和することで少しでも楽にこの時期を乗り切ることができるようになります。

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 つわり(妊娠悪阻)の原因

 実際のところ、つわりの原因はまだよくわかっていません。ここではつわりの原因の可能性として考えられているものを紹介します。

1)ホルモン的な要因
 
  つわりは妊娠後に上昇する妊娠性のホルモンであるHCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の上昇によって生じると考えられています。HCGは妊娠9-11週をピークに低下してくるので、HCGの低下とともにつわりが軽くなると考えられています。妊娠中に増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)には腸の動きを鈍くさせる働きがあり、これもつわりの原因になっている可能性があります。甲状腺ホルモンもつわりに影響している可能性があります。他に影響している可能性がホルモンとして、エストロゲン(女性ホルモン)、ACTH、コルチゾール(副腎から出るステロイドホルモン)、成長ホルモン、プロラクチン(授乳するのに必要なホルモン)などがあり、これらも妊娠中に上昇するホルモンです。

2)精神的な要因
 
 つわりには精神的な要素(ヒステリックな性格、自分の母に過度に依存している人、幼児的な人間性など)が関わっているとも考えられていますが、それを裏付けるほどのデータはなく、つわりが続く結果として似たような精神状態になってしまうのかもしれません。また、都市部の女性、主婦につわりが多いとも言われています。

3)他の要因
 
 胃潰瘍などの原因となっているヘリコバクター・ピロリ菌がつわりにも影響しているというデータもあります。また妊娠している胎児が女の子の場合つわりが強くなると言われています。

  以上なぜ起きるかにつてはよくわかっていないことが多いつわりですが、つわりを悪化させる状態については一般的に下のようなものが認められています。

つわり(妊娠悪阻)を悪化させる主な原因

  1. 甲状腺機能亢進症
  2. 胞状奇胎
  3. 多胎

など

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 つわり(妊娠悪阻)と区別が必要な病気

 つわりと思っていても、他の病気が原因のことがあります。つわり以外に吐き気などの症状が出る病気には以下のようなものがあります。

1)胃腸の病気

  1. 胃炎、腸炎:嘔吐、下痢、腹痛のほか時に熱が出ます。軽ければ数日で治まります。
  2. 腸閉塞:腹痛・嘔吐が中心です。おならが出なくなります。時に腹痛がないこともあります。
  3. 虫垂炎:典型的なものでは嘔吐や下痢の後に腹痛、発熱が生じます。吐き気よりも左下腹部痛が中心です。

2)肝臓周囲の病気

  1. 肝炎:血液検査で判明することが多い病気です。倦怠感なども生じます。
  2. 胆道系疾患:ひどくなると黄疸や皮膚のかゆみが生じます。血液検査や超音波検査でわかります。
  3. 膵炎:上腹部から背部に強い痛みが生じます。

3)他の病気

  1. 尿路結石、腎盂腎炎:腎臓から膀胱までの病気で吐き気が生じることがあります。通常背部の痛みを伴います。
  2. 腎不全:腎臓の機能が悪くなると吐き気を伴うことがあります。通常その前にむくみや血圧の異常など他の症状で気づかれることが多いと思われます。
  3. 内分泌・代謝の病気糖尿病、副腎の機能低下、甲状腺機能亢進症などでも吐き気を生じることがあります。
  4. 腹部の腫瘍:大きな子宮筋腫などで腸が圧迫されることで吐き気が出ることがあります。

  以上、他の病気によってつわりのような症状が起きることがありますが、妊娠初期に初めて吐き気を感じ、他に症状がなければ、ほとんどがつわりです。ただし、あまりにも症状が早い時期や遅い時期に生じたり、吐き気以外にも症状がる時はつわりではない可能性があるので、主治医の先生に相談してみましょう。

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