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婦人科的な悩み妊娠中の不安内科的な病気
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妊娠中のお腹の痛み
妊娠中の腹痛はよくある症状ですが緊急を要するものもあります。妊娠初期、中期以降の腹痛の説明です。
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 妊娠初期の腹痛
point: 出血があるかどうかは重要です。

 妊娠初期の腹痛で妊娠している子宮に関連するものは下腹部の痛みです。上腹部の痛みでは胃や胆嚢などの痛みが考えられます。ここでは下腹部の痛みを対象とします。

 妊娠していることが明らかで、かつ子宮の中に胎嚢(胎児が入っている袋、GS)が確認できない時は子宮外妊娠かどうかが最も重要になります。子宮の中にしっかりと胎嚢が確認できている時は、子宮の痛みなのかどうかの鑑別が必要です。

1)出血がある時

  1. 子宮外妊娠
     妊娠性のホルモン(hCG)の値が十分に高くなっているのに、超音波検査で子宮の中に胎嚢(胎児が入っている袋、GS)が見えない時は子宮外妊娠の可能性があります。
      子宮外妊娠とは子宮の中以外に妊娠している状態で、最も多いのは卵管に妊娠するものです。症状としては出血や妊娠している場所に痛みが生じます。放っておくとお腹の中に大量の出血を生じることもあり、子宮外妊娠の診断となるとほとんどが腹腔鏡や開腹での手術が必要となります。状況によってはメソトレキセートという薬(抗がん剤に分類される薬)で治療することもあります。
      卵管以外にも卵巣や腹腔内の臓器に妊娠することもあり、その場合は出血の症状がないこともあります(卵管への妊娠でも出血が現れないこともあります)。
      他に子宮の出口に妊娠する頚管妊娠というのがあり、この場合は妊娠成分だけを排除しようとすると大出血につながるため、子宮を摘出しなければいけないことが少なくありません。
     
  2. 流産
      流産にはいくつかの種類があります。
    進行流産;まさに胎嚢(や胎児)が外に出されようとしている状態です。生理のような症状がとても強く生じます。強い周期的な痛みと多量の出血が生じます。
    完全流産・不全流産;胎嚢(や胎児)が外に出てしまった状態です。全てが完全に外にでれば完全流産、一部が子宮の中に残っていれば不全流産といいます。
    稽留流産;子宮の中で胎嚢や胎児の成長が止まってしまった状態です。この時点では出血はありません。
    流産では一部の完全流産を除き、子宮の中をきれいにする処置(子宮内掻爬)が必要になります。
  3. 切迫流産
     妊娠初期に下腹部の痛みや出血があっても、進行流産という状態でない場合、切迫流産となります。切迫流産にはほとんど問題のないものから、入院を必要とするものまでいろいろです。ホルモンの薬や子宮の収縮を抑える薬を使うことがありますが、この時期は明らかに有効とされている薬がないため、安静だけで様子をみることも多いです。(切迫流産と診断されても多くの場合は、その後正常に経過して行きます)
     
  4. 胞状奇胎
     妊娠反応があり、子宮の中にとても小さな袋が無数にできた状態です。妊娠性のホルモン(hCG)が異常に高くなり、つわりがひどくなります。子宮の中をきれいにする処置(子宮内掻爬)を数回に分けて行います(1回では全てを排除できないため)。

2)出血がない時

  1. 子宮外妊娠
     出血が生じることが多いですが、出血がないこともあります。
     妊娠性のホルモン(hCG)の値が十分に高くなっているのに、超音波検査で子宮の中に胎嚢(胎児が入っている袋、GS)が見えない時は子宮外妊娠の可能性があります。
      子宮外妊娠とは子宮の中以外に妊娠している状態で、最も多いのは卵管に妊娠するものです。症状としては出血や妊娠している場所に痛みが生じます。放っておくとお腹の中に大量の出血を生じることもあり、子宮外妊娠の診断となるとほとんどが腹腔鏡や開腹での手術が必要となります。状況によってはメソトレキセートという薬(抗がん剤に分類される薬)で治療することもあります。
      卵管以外にも卵巣や腹腔内の臓器に妊娠することもあり、その場合は出血の症状がないこともあります(卵管への妊娠でも出血が現れないこともあります)。
  2. 稽留流産
     子宮の中で胎嚢や胎児の成長が止まってしまった状態です。放っておくと子宮の中に感染を生じたりするため、子宮内掻爬が必要となります。
  3. 切迫流産
     妊娠初期に下腹部の痛みや出血があっても、進行流産という状態でない場合、切迫流産となります。切迫流産にはほとんど問題のないものから、入院を必要とするものまでいろいろです。ホルモンの薬や子宮の収縮を抑える薬を使うことがありますが、この時期は明らかに有効とされている薬がないため、安静だけで様子をみることも多いです。(切迫流産と診断されても多くの場合は、その後正常に経過して行きます)
      子宮は妊娠初期から妊娠期間中、不規則な収縮が生じます(Braxton Hicks 収縮)。これが痛みとして感じられることがあります。
     
  4. 子宮円索の牽引痛
     子宮を支えている組織のひとつに子宮円索があります。子宮円索は子宮の横から足の付け根方向に向かって伸びています。妊娠中期以降によくある痛みの原因ですが、妊娠初期にも一時的に子宮円索に一致した痛みが起きることがあります。
     
  5. 便秘
     妊娠初期の下腹部痛として以外に多いのが便秘です。
     
  6. その他
     他にも卵巣腫瘍の破裂、卵巣腫瘍の茎捻転、虫垂炎、腸の病気、膀胱炎などいろいろな原因があります。
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 妊娠中期以降の腹痛
point: 妊娠中期以降、ある程度の出血を伴う痛みには要注意です。

 妊娠中期以降は、子宮自体の痛みの他に子宮が大きくなることで周囲の臓器を圧迫することで起きる痛みがあります。この時期、出血を伴う痛みには注意が必要です。

1)出血がある時

  1. 常位胎盤早期剥離
     お腹が強く張り、出血も多いのが典型的な場合です。中には外に出血があまり出ないタイプや腹痛が軽くても出血が多い時などもあります。この病気が疑われたら一刻も早い対処が必要です。救急車を呼ぶべき状態です。
      常位胎盤早期剥離というのは胎盤が妊娠中突然はがれてしまう病気です。胎盤がはがれることで胎児に血液が行きづらくなり、胎児は低酸素状態になってしまいます。はがれた胎盤からいろいろな物質が母体の体に流れ込み、血が止まりづらく緊急を要する状態(DIC)になることもあります。
     
  2. 切迫早産
     子宮の収縮が頻回だったり、子宮の出口(子宮頚管)が開いてきたり短くなったりして早産の危険が高くなった状態です。子宮頚管が開いたりすることで出血が生じることがあります。原因として子宮頚管にばい菌が感染していたり、胎児を包んでいる羊膜の一部が破れて羊水が漏れ出していたり(破水)、いうこともあり入院管理を必要とすることがあります。
      しかし、子宮の張りだけで、早産とならずに経過することも少なくありません。
      原因によって対処法は違いますが、子宮の張りだけなら、張り止め(ウテメリンなど)で様子をみることが多いです。

2)出血がない時
  出血がなく、破水もなく、熱もなく、痛みも軽く、かつ胎動がしっかりしているようなら多くは様子をみて大丈夫な痛みです。

  1. 子宮円索の牽引痛
     子宮を支えている組織のひとつに子宮円索があります。子宮円索は子宮の横から両方の足の付け根方向に向かって伸びています。子宮が大きくなると子宮円索が引っ張られて突っ張るような痛みを感じることがあります。妊娠している子宮は、左右のどちらかに傾いたり、少しねじれたりしていますので、通常は片側だけ(左に多い)痛いことが多いです。
      痛い側を下にして足をまげて横になると、痛みはかなり楽になります。それでも痛い時は他に痛みの原因がある可能性があります。子宮円索の牽引痛が痛み以外に胎児や母体に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。
     
  2. 切迫早産
      子宮の収縮が頻回だったり、子宮の出口(子宮頚管)が開いてきたり短くなったりして早産の危険が高くなった状態です。原因として子宮頚管にばい菌が感染していたり、胎児を包んでいる羊膜の一部が破れて羊水が漏れ出していたり(破水)、いうこともあり入院管理を必要とすることがあります。
     出血がなく、子宮頚管や子宮内にバイ菌の感染がなく、破水がなく、そしてお産が進行しているような状況がなく、胎児が元気なら、多くは早産にならないで済みます(それでも中には早産となることもあります)。子宮の張りの多くはBraxton Hicks収縮という妊娠中に子宮の一部が不規則に収縮するもので、通常の妊娠中にみられ異常ではありません。
      治療は 状況によって張り止め(ウテメリンなど)の内服だけで様子をみる場合から、入院して複数の点滴治療が必要な場合まであります。Braxton Hicks収縮であれば安静だけで軽快することがほとんどです。
     
  3. 子宮筋腫
     子宮筋腫があると、その部分が痛みの原因になることがあります。通常は痛み止めなどで様子をみますが、入院が必要になったり、手術を必要としたりすることもあります
     
  4. 便秘
     妊娠中は便秘になりやすくなり、痛みの原因になることがあります。
    妊娠中の便秘のページを参照してください
     
  5. 虫垂炎
     妊娠中も妊娠していない時と同じ確率で虫垂炎になります。典型的な症状としては、最初上腹部が痛くなったり、吐き気、下痢などが生じ、徐々に痛みが右の下腹部になります。
      妊娠していない時の虫垂炎の治療は手術の他に抗生剤の投与などだけで手術をしない方法を選択することがあります。しかし、妊娠中はほとんどが手術を必要とします。妊娠中は虫垂炎が重症化してしまう危険性が高く、重症化すると胎児や母体へも影響してしまうためです。
     
  6. 卵巣嚢腫の破裂、茎捻転
     卵巣腫瘍や妊娠によって卵巣にできる黄体のう胞があると、これがねじれたり破裂することで腹痛を生じることがあります。どちらも急な痛みが生じます。手術を必要とすることが多いです。
     
  7. HELLP症候群
     妊娠中に小さな血栓がたくさんできて、その血栓が肝臓や脳の血液の流れに悪影響を及ぼす病気です。DICという血を止める働きをする物質が極端に減ったり、常位胎盤早期剥離をおこしたりすることもあり、緊急で手術などの対応が必要になります。
      HELLP症候群の初期に上腹部痛を生じることが少なくありません。
     
  8. その他
     他に腸閉塞や尿管結石、胆嚢炎など腹痛をおこす病気はたくさんあります。
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